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毎日が寒くて嫌になる!

冬の間は諦め半分に泣き半分で耐えていたものの、しばらく前に「春が来た!」と喜んでいたところでまたこの寒さだ。

 

なんかもう、裏切られたような気分だ。

 

 

「彼、付き合う前はあんなに優しかったのに・・・

私が心を許したところで急に冷たくなっちゃうなって、ひどい!

信じてたのに!」

 

(なんつってたら親友のミドリが)

「ヨーコ、元気出しなよ!

人生諦めるのはまだ早いって!アンタにもきっと春は来るよ。

今日はおいしいもの食べに行かない? 嫌なことなんか忘れちゃえ!」

 (って慰めてくれるもんだからコッチはちょいと目をウルウルさせつつ、案外アッサリ立ち直って)

「そ、そうだよね。ミドリ・・・ありがとう!」

「じゃあさ、この間私がみつけたイタリアンのお店行こ?」

「あー、それ雑誌に載ってたとこ? 私も行きたかったんだ~」

(なんて言いつつきゃいきゃい騒ぐ)

 

 

みたいな会話は誰とも全くしなかったわけだけど。

そんな茶番劇はお呼びじゃないわけだけど。

 

とにかく最近の楽しみは「おいしいものを食べること」だ。

 

 

 

・・・・あれ、話題がずれた?

えーと、「毎日寒くて嫌になる」って話だっけ?

 

そうそう。それでこのあいだの帰り道の話。

 

 

 

 

 

私はその日、寒かった。(間違った日本語の例)

 

夜のことだった。夜風があまり寒かったので、私は愛用の耳当てをつけて自転車を漕いでいた。

ヘッドホンみたいな、ふわふわで茶色い耳当てだ。

私は寒さで耳が痛くなるのが一番我慢できない性質である。誰が何と言って笑おうが、その「ふわふわ耳当て」は冬の必需品だ。

オシャレ心とか格好悪さとかそういうものは、寒さによる苦痛に比べれば取るに足りない。(私の中では)

というわけなんだけれど・・・

 

その夜は寒すぎた。

 

そりゃもう、ふわふわ耳当てでさえカバー出来ないくらい寒かった。

具体的には顔と耳の周り、うなじや首すじなどふわふわ耳当てに覆われていない部分がとにかく寒かった。

 

前述の通り、耐え切れねえ。

マジ寒い。生贄が足りない。オシャレ心だけじゃ足りない。

そこで最終手段だ。

 

 

 

コートのフード、登場。

 

 

私はフードをかぶった。

しかし何とも気まずい。周囲が気になる。

自分の風体は、まさか怪しくないだろうか?

 

反対からきた自転車とか歩行者とかの目が気になって仕方ない。

だってこれ、さすがに見た目がマズくはないか。黒めのコートにフードまでかぶって。

・・・ちょっと怪しいんじゃないか?

 

 

 

あ、今すれちがった自転車の人・・・心なしか目ェ見開いてなかった?

なんか「ギョッ」としてなかった?

 

 

う、うわあ!

ま、まさか私、不審者っぽいのか!?

 

だって、今の私を外から見たら・・・

冬の夜道を一人っきり

フードで顔を覆った謎の人物が(←年齢・性別不詳の黒い人影)

小声で何か歌いながら(←CDウォークマンにつられてる)

自転車で全力疾走してる(←早く家に帰りたい)

 

シャコー、シャコー (自転車の音)

フシュー、フシュー(呼吸の音)

 

「・・・ボソボソ・・・・・・・・ボソッ・・・・・・」

 (その人影は、何事か呟いている)

 

 

 

 

 

あわわわわわわ!!!

これ、めっちゃ不審だァァァァー―!!

 

 

私はソワソワし始めた。人目が気になり始めた。

何と言っても、こうして慌ててるのが一番不審に見えるんだってことは分かってた。

けれどもう心が落ち着かない。落ち着くどころかいよいよ必死になって立ち漕ぎを始める始末!

 

自転車は上り坂にさしかかった。

立ち漕ぎでようやく進めるくらいのきつい坂。

そしてその坂の途中には、交番が・・・。

立ち漕ぎしながらその横を通るとき思わず中を覗き込んでしまった。

 

日付ももう変わろうかという深夜に

フードをかぶった女が

一人で立ち漕ぎ?

 

――狭い交番の中。

ガラス戸越しに一瞬、見えた。

 

あ、

おまわりさんと

 

目が合って・・・

 

 

 

 

と、

そう思ったときには既に交番の前を通り過ぎていた。

 

 

すれ違うその一瞬、おまわりさんがこちらを気にした様子はなかった。

交番を振り返って、誰か出て来ないか確認した。(やましいことなんて何一つないのに!!)

交番の中からは誰も出て来ない。(当たり前だよね?)

『そ・・・そうだよね。私、そこまで怪しくないよね?』(・・・よね?)

 

坂を上がり終えると私は立ち漕ぎを止めた。

そこまで行って初めて訳もなく自身が湧いてきた。

その頃にはちょっとした試練を乗り越えたみたいなテンションになっていた。

 

 

 『私、オシャレ心よりもう少し重いものを 乗り越えられた気がする!』

自分の心の中で自転車を漕いでいる「黒い人影」に、私は意気揚々と報告してやった。

 

 

 

 

結論から言うと、寒ければコートのフードをかぶってもいいんだ。

周りが気にならなければ大丈夫だ。

 

見た目は悪いけど、でも寒いよりマシ。

だってフードって、そもそもかぶるための物だし。

 

こうして私は一つ大人になった。試練を乗り越えて。

 

 

 

 

今日の一言

 

 

 

 

“コートのフードは何のためにあるのか、貴方はご存知?

 

『髪に滴る雨粒が、

この身に冷たい日のために』?

 

ええ、でもそれからあと一つ。

 

 

孤独な肌を切る風が、

心に冷たい夜のために!

 

 

 

 

 

 

嗚呼。

――しかしこのフードでは、凍えた心までは包み込めないのだけれど。

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さえき(saeki/S女史)
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女性
自己紹介:
好きな色は青・深緑・赤白黒。大の武具甲冑好きにして生粋の日本刀フェチ。好きな刀の部位は今のところ鎬かな☆(刀身を光に照らした時にカッコイイ)。好きな恐竜の学名は“Eoraptor lunensis (暁の略奪者)”で好きなドロンボーはボヤッキー!
タバコ吸ってる人がキョロキョロした瞬間に灰皿を差し出し、時間を聞かれた時に誰よりも早く答えることを生き甲斐にしている。座右の銘は「当意即妙」。軽度のナルシズムは功罪一体で重度のサディズムは秘匿事項。手紙書き・片付け・シイタケが非常に苦手な、体長163cmの学名“Homo sapiens”でございます。
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